投資に関する情報が大量に、即座に入手できるようになり、その情報量にはたやすく圧倒されてしまいます。どうすれば情報を整理できるでしょうか。資産運用のエキスパートであるチャールズ・エリス博士が、投資の世界の中心人物である「ミスター・マーケット」と「ミスター・エコノミクス」の二人を紹介しながら、雑多な情報の中から価値ある情報を判別するためのヒントを紹介します。

当対談は2012年9月27日に収録されました。各情報、見解等は収録日時点のものです。

日本語訳

司会:ペンシルベニア州リメリックにお住まいのビルさんからご質問です。「どうすれば個人投資家は、株式・債券・運用方法に関する様々な情報や報道、交錯したメッセ―ジを、理解できるようになるでしょうか。」私たちは、日々、あまたの意見・助言・指針の洗礼を受けています。それらを理解するにはどうすれば良いのでしょうか。

エリス氏:それよりも良い考えがあります。理解しようとしないことです。放っておくことです。「十代の若者がなぜあんなものを好むのか、さっぱり分からん。」という意見に対する最善の受け答えは、「分からないでいいんです、放っておきましょう。」ではないでしょうか。「犯罪者が何故あのような行動をとるのか分からない。」に対しても同じです。「まあ、そんなことは知らなくても別に構わないんじゃないか。気にしない気にしない。」という姿勢は人生の選択肢の一つです。私たちが知らなくて差し障りないことはたくさんあります。私は、自宅の配管設備の仕組みが理解できなくても構わないと思っています。電気系統の仕組みも分かりませんが、それらが機能するものだということは分かっていて、それで十分なのです。「いや、全部理解しておくべきだ」と思う人は、ウォーレン・バフェットの忠告を思い出してください。すなわち、「ミスター・マーケット」と「ミスター・エコノミクス」という、ベンジャミン・グレアムによる的を射た識別のことを。

司会:では、まずミスター・マーケットについてご紹介ください。ミスター・マーケットとはどんなキャラクターでしょうか。

エリス氏:ミスター・マーケットは、楽しく面白く刺激的で、人を魅了する抜け目ないキャラクターです。あなたは知らず知らずのうちに彼に惹き付けられてしまいます。あなたの想像力はどんどん膨らんでしまいます。ミスター・マーケットの生きがいは、あなたを欺くことです。あなたを惑わすために存在し、その手口は実に巧妙です。一方、ミスター・エコノミクスは、自分の仕事を真面目に着実にこなしていきますが、誰も彼に注意を払いません。彼は、一生懸命こつこつ働きます。ミスター・エコノミクスに投資をすれば、優秀な人材を擁する、非常に興味深い企業がもたらす成果を手に入れることができるでしょう。すなわち、優れた価値や製品・サービスを生産し、それらを何年にもわたって販売し続け、真の事業を築いていく企業です。刺激は少ないかもしれませんが、確かな成果が得られるでしょう。一方で、ミスター・マーケットと付き合えば、彼に翻弄されてしまいます。彼は巧妙です。彼の土俵で勝負させられることになります。

司会:それが彼の役割なのですね。

エリス氏:そうです。「インデックス運用の真のメリットは何ですか?」と尋ねる投資家に私がいつも説明するインデックス運用の利点は、取り扱い・対応が容易であること、コストや税金の面で効率が良いことなどがありますが、「それで全部なの、チャールズ? 他にはないの?」と言う人には、こう答えます。いえ、他にもありますよ、ミスター・マーケットの悪ふざけだの、株式相場の動向だのと、現在起こっていることにいちいち心を奪われてすり減らすよりも、人生には他にもっとやりがいのあることがあるじゃないですか、と。

ご留意事項

・全ての投資にはリスクがあり、元本を失う恐れがあります。

・ドルコスト平均法は株や債券価格の下落時に利益を守るものでも損失を防ぐものでもありません。ドルコスト平均法は価格の変動に関わらず投資し続けるため、マーケットが長期的に下落している際、投資を続けるかどうか検討する必要があります。

・この動画は投資教育の目的のためだけに製作されています。

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