現在の環境下における投資に関する6つの質問

21 July 2020 | 貯蓄/投資

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先日、ウェブキャストでバンガードのリーダーが現在の環境下における投資に関する知見をお伝えしました。以下に、その時多く寄せられた質問とそれに対する回答をご紹介させていただきます。大局的な視点を見失わず投資判断を下すための指針として、ぜひお役立てください。

過去の景気後退期と比較して、今後の景気回復はどのように進むことが予測されますか?

2008年の世界金融危機の原因は、新型コロナウイルス危機とは全く違います。ですから、回復への道のりも異なることが予想されます。金融業界の規制緩和に起因した2008年の世界金融危機は、住宅市場における過剰債務の発生を伴い、市場の信用性と機能が著しく低下しました。一方、今回の危機は、感染の世界的流行と、それに続く感染拡大防止のための経済活動の減速によるものです。大恐慌以来となる深刻な景気収縮が続いており、回復軌道に乗るのは7-9月期になると予想されています。またこの状況を脱するには、いくつかの条件が整う必要があります。

まず、はじめに、製品とサービスが広く供給され、雇用が回復し、企業活動が(完全にではなく、ソーシャル・ディスタンスを保ちながら)安全に再開される必要があります。

次に、小売店やレストランが再開すると、こういったサービスへの需要が必要になります。人々が感染を恐れて外出しないようであれば、需要は落ち込むでしょう。

最後に、これは最も重要なことですが、医療分野における進展が必要です。バンガードの最高投資責任者(CIO)グレッグ・デイビスは「今年の終わりから来年の初め頃には、ワクチンが開発されると期待しています。ワクチンが広く供給されれば、人々の不安は解消されるでしょう」と述べています。

資産の一部を売却して、ポートフォリオを守るべきでしょうか?

資産の一部を売却すればリスクは抑えられますが、行動を起こす前に次の点を考慮に入れることが大切です。

市場の下落時に売却すれば損失が確定し、市場の最高の時期を逃すことになります。例えば2020年2月中旬から3月23日の間にS&P500指数は33.9%下落しましたが、その後の3日間で17%上昇しました。*

また、再び市場に参入するタイミングを決めなければなりません。市場が低迷している時に、将来の反発を見込んで投資を再開することが理想ですが、タイミングを正確に見極めてこれを実行することは容易ではありません。

購買力は時間と共に低下します。バンガードの米国での資産プラニング研究の責任者を務めるマリア・ブルーノは次のように述べています。「手元に資金を置いておけば安全だと感じるかもしれません。しかし、長期的なインフレを考えると、そのインフレに合わせてポートフォリオの資産は増えないため、実は購買力は低下していることになるのです。」

市場から撤退し、再び市場に参入する最適なタイミングを予測することは不可能です。常に長期的な視点を持つことが大切なのはこのためです。もし、あなたが不安を感じて現金化を考えているものの、そのお金が今は必要でなければ、バンガードは分散投資の継続をお勧めします。短期的な雑音を無視し、長期的な投資目標を変えないことが大切です。詳しくは、「ポートフォリオを変更して現金化を急がないほうが良い理由」をご覧ください。

航路を守ることの重要性は理解していますが、市場が乱高下している時にはポートフォリオのリバランスが必要ではないでしょうか?

市場のボラティリティによって、資産配分が変化することはあります。例えば、株式の配分が高い場合、最近の相場下落によってポートフォリオのバランスが崩れている可能性があります。しかし、その後の市場回復を考えると、資産配分は元に戻っていることも考えられます。

では、ポートフォリオのリバランスは必要でしょうか?それは、投資目標、投資期間、リスク許容度に基づいて設定した資産配分目標から逸脱しているかどうかによって決まります。

バンガードでは、四半期、半年または年に一度など(毎日や毎週ではありません)、一定のスケジュールでポートフォリオの見直しを行うことを推奨しています。見直した時点で資産構成が5パーセント以上乖離していれば、リバランスを検討しましょう。

例として、株式に60%、債券に40%投資するポートフォリオがあり、年に一度見直しを行うとします。株式の比率が66%、債券が34%になっていれば、60対40の配分になるよう調整を行う時期です。これは、自分が許容できる以上のリスクに晒されないようにするためです。逆に、リバランスを行って目標配分に戻ることに不安に感じる場合もあるでしょう。もしかすると、目標や生活環境が変化し、もう少し保守的になるほうが良い場合もあるかもしれません。このような場合には、新しい目標に合わせてポートフォリオのリバランスを行いましょう。

米国籍以外の外国籍の資産を保有していない場合や、外国籍と米国籍の資産の保有比率をリバランスしたい場合は、リスク管理のための分散投資が欠かせないことにご留意ください。外国籍の資産に投資することで、ポートフォリオの分散をさらに高め、リスクを低下させることができます。現在は外国株が米国株に比べて割安となっており、また外国株は近い将来は米国株をアウトパフォームする可能性があります。しかし確実ではありませんから、両方を保有することをお勧めします。そして少なくとも20%を海外の株式や債券に配分しましょう。必要に応じて、目標とする資産配分へのリバランスを行うことも忘れないようにしてください。

退職していますが、投資戦略はどうすればいいでしょうか?

すでに退職されている場合、今の不安定な時期を乗り切るためにできることを以下にご紹介します。

まずは現預金で今後1年から2年間の生活費を確保しましょう。ただし、預金は投資と考えず、現金が必要になった時のための保険と考えてください。

次に資産配分を見直し、ご自身の目標、投資期間、リスク許容度から乖離しないよう調整が必要です。

支出の削減も検討してください。現在は「ステイ・ホーム」が要請され、旅行や余暇などの裁量的経費は減少しています。非裁量的経費を削減する方法を見つけましょう。例えば、食費や光熱費を抑えたり、ケーブルテレビを解約したりすることはできないでしょうか。

ミレニアル世代です。運用していない資金がありますが、いつ何に投資するのが良いでしょうか。

市場に投資する場合、投資目標、投資期間、市場変動時のリスク許容度、個人の経済状況など多くの要素によって、何が最善策かが決まります。

今働き盛りのミレニアル世代の皆さんは、今後数十年間は所得が増えていくでしょう。投資期間が長いため、投資に積極的に取り組むには最適な状況と言えます。しかも弱気相場の直後は、投資の好機となります。長期的に見れば、市場の下落後は通常、株価が上昇します。今後10年間は6%か7%のリターンが予想され、海外に投資すればこれを上回るリターンも期待できます。

重要事項:さまざまな投資成果の可能性に関して、バンガード・キャピタル・マーケッツ・モデル®(VCMM)が算出した予測およびその他の情報は、仮定であり、実際の投資結果とは異なり、将来の投資成果を保証するものではありません。VCMMによって算出される収益率結果の分布は、モデル化された各資産クラスごとに10,000回のシミュレーションから得られたものです。シミュレーションは2020年3月30日現在のものです。VCMMの結果は毎回異なり、経時的に変化します。

もし下落相場を逃したと感じても、次の下落相場を待たず、投資を始めましょう。資産形成は早く始めるに越したことはありません。早く投資を始めれば、複利の効果を利用して投資リターンを高めることができます。

まずはバンガードの商品をご検討ください。投資で成功する鍵を見極め、ご自身に合った投資を見つけましょう。

景気後退期には、インデックスファンドよりもアクティブ運用ファンドに投資するほうが良いでしょうか?

インデックスファンドを購入すれば、市場全体に投資することができ、リスクの分散が可能になります。インデックス投資は長期的に資産を増やす方法であることが実証されています。実際、2020年5月31日時点のバンガードのバランス型インデックスファンドの年平均リターンは、最近のボラティリティ上昇にもかかわらず、11.36%となりました。

2020年5月31日現在の年平均リターン

バランス型インデックスファンド(Admiralシェア)

1年

5年

10年

設定来(2000年11月13日設定)

経費率

11.36%

7.37%

9.45%

6.35%

0.07%

上に挙げたパフォーマンス・データは過去の運用実績績であり、将来の成果を保証するものではありません。投資リターンと元本価値は変動し、投資家の持分は、売却時に投資元本を上回る場合もあれば、下回る場合もあります。現在のパフォーマンスはこのデータを下回っている場合もあれば、上回っている場合もあります。現在から直近の月末までのパフォーマンス・データについては、各ファンドのページをご覧ください。

アクティブ運用ファンドへの投資は、市場を上回るリターンとなる可能性があります。バンガードのCEOティム・バックリーは次のように述べています。「長期的に市場を上回る運用成績を上げるマネージャーもいます。そしてバンガードに、そのようなマネージャーが大勢いることを誇りに思っています。アクティブ運用ファンドへの投資をご希望の場合は、長期的な視点を持ち、資産の入れ替えが少なく、低コストで、市場に関して差別化された見方をするポートフォリオ・マネージャーを選ぶことが大切です。」

インデックスファンドにアクティブ運用ファンドを組み合わせることは、ポートフォリオの幅を広げ、分散効果を高める優れた戦略となります。

*出所:バンガード


 

ご留意事項

  • すべての投資にはリスクが伴い、投資元金を割り込む可能性があります。
  • 分散投資は、利益を保証するものでも、損失を防止するものでもありません。
  • 債券ファンドへの投資は、発行体が期日通りに支払を履行できないリスク、金利の上昇または発行体の支払能力に対するネガティブな見通しによる価格下落リスクを伴います。また、債券ファンドへの投資は金利、信用、およびインフレリスクを伴います。
  • 米国以外の企業が発行した株式や債券への投資は、カントリー・リスク、地域リスク、通貨リスクなどのリスクを伴います。新興国市場を基盤とする企業の株式は、国と地域の政治リスク、経済リスク、為替変動リスクを伴います。これらのリスクは特に新興国市場で高くなります。
  • 重要事項:様々な投資成果の可能性に関して、バンガード・キャピタル・マーケッツ・モデル(VCMM)が算出した予測およびその他の情報は、仮定であり、実際の投資結果とは異なり、将来の投資成果を保証するものではありません。VCMMの結果は、毎回異なり、経時的に変化します。
    VCMMが算出した予測は、過去のデータの統計的分析に基づきます。将来のリターンは、VCMMでとらえた過去のパターンとは異なる動きをする場合があります。さらに重要なのは、VCMMはモデル評価が基礎とする過去の一定期間において観測されたことがない極端なマイナス・シナリオを過小評価する可能性があります。
    VCMMは、バンガードの投資戦略グループが開発し、維持する専有金融シミュレーション・ツールです。同モデルは、広範な資産クラスについて将来のリターン分布を予想します。これらの資産クラスには、米国株式市場および非米国株式市場、償還期限の異なる米国債および社債市場、非米国債券市場、米国短期金融市場、コモディティならびに特定のオルタナティブ投資戦略が含まれます。VCMMは、様々な資産クラスのリターンは、投資者が異なる種類のシステマティック・リスク(ベータ)を負担する際に要求する代償を反映するという理論と経験則に基づいています。当モデルの中核となるのは、1960年という早い時期からの月次金融・経済データに基づく統計分析から得られたリスク要因および資産リターン間の動的な統計関係の評価値です。予想方程式システムの利用により、同モデルは、モンテカルロ・シミュレーション方法を適用し、リスク要因および資産クラス間の予想相関関係ならびに長期的な不確実性と非規則性を推定します。同モデルは、複数の時間軸に対して資産クラス毎に、多くのシミュレーション結果を算出します。予想値はこれらのシミュレーションの中心傾向の尺度を算出することによって得られます。このツールによる算出結果は、毎回異なり、経時的に変化します。
  • バンガードのファンドについて詳しくお知りになりたい場合はvanguardjapan.co.jpをご覧ください。ファンドの投資目的、リスク、費用、経費、およびその他の重要な情報は、目論見書に記載されています。投資前によくお読みになり、ご検討ください。
  • バンガードETFにおける受益証券の設定または交換は、通常数百万ドル単位のクリエーション・ユニット(原資産バスケットおよび現金)の引き渡しによってのみ行われます。投資家は、流通市場においてバンガードETFの受益証券の売買を行い、証券取引口座にこれらの受益証券を保有しなければなりません。その際、投資家は仲介手数料を課されます。また、ETF購入の際には基準価額を上回る金額を支払い、あるいは売却時には基準価額を下回る金額を受け取る可能性があります。

バンガード・マーケティング・コーポレーション、バンガード・ファンドの販売会社

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