パッシブ運用商品でアクティブに運用

25 August 2017 | 貯蓄/投資

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解説:バンガード・インベストメント・ストラテジーグループ シニア・インベストメント・ストラテジスト ジム・ラウリー

アクティブ運用 対 パッシブ運用。アクティブ運用かパッシブ運用か。アクティブ―パッシブ論争

どんな言葉が正確かは分かりませんが、このテーマは、ポートフォリオ構築に関連する会話を独占します。インデックス・ファンドに投資する人々のパフォーマンスを見る限り、アクティブ運用かパッシブ運用かの「いずれか」を選択するという前提が間違っているのは明白です。彼らの実際の行動は、どちらのアプローチにも利点があるということを示しています。

実際、このポートフォリオ構築に関するテーマを特徴付けて述べるとすれば「パッシブ運用を利用してアクティブに運用」がより良い表現かもしれません。

過去10年の間に、投資業界ではパッシブ運用戦略が数多く採用されるようになってきました。この事実だけを見ると、パッシブ運用派が“アクティブ―パッシブ論争”で勝利を収めているように見えます(これはパッシブ―アクティブ論争以外でも、投資家が高コストより低コストのファンドを選ぶ傾向が強くなっている結果でもあります)。しかし、投資商品の戦略と投資家の戦略には違いが存在します。

もしパッシブ運用ファンドを選んでいる全ての投資家が、パッシブ運用理念に基づいて米国株に分散投資していたら、これらのファンドへの流入資金は、時価総額加重ベースで米国市場の広範の証券に分散されることになります。投資家1人ひとりがこのアプローチを採用していたら、パッシブ運用ファンドのリターンは、広範な市場指数と連動しているはずです。しかし、実際にはそうではありません。

実はパッシブ投資家は米国市場において、時価総額に応じた投資配分をしていないのです。

以下のグラフは、米国籍インデックス型株式投資信託及び米国株を保有するETFと、時価総額加重ベースの米国トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドのリターンを比較し、60カ月移動平均を示しています。言い換えれば、パッシブ・ファンドを運用する平均的な投資家のパフォーマンスを示していることになります。

インデックスファンドの投資家は、必ずしも市場をトラックしていない

注釈:インデックスファンド平均には、米国籍インデックス型投資信託、米国株とセクター株に投資するETFが含まれ、これらのリターンは資産額に応じて加重しています。インデックスファンドの平均リターンとバンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドのリターンは、ウィルシャー5000トータル・マーケット・インデックスと比較されています。データは1993年から2016年までのものを使用しており、過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません。またインデックスに直接投資することはできないため、インデックスのパフォーマンスは特定の投資のパフォーマンスを表しているわけではありません。出典:モーニングスター社のデータに基づき、バンガードが試算。

予想に反し、インデックスファンドの平均的な投資家は、広範な市場を必ずしもトラックできていません。実際、インデックスファンドの平均リターンは、トータル・マーケット・ファンドのリターンと比較してみると、時期によっては約14%のアウトパフォームをしていたり、約8%のアンダーパフォームしていたことがわかります。(バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドに代表される)正しいパッシブ運用アプローチでは、0を若干下回るオレンジ色の横線に似たパフォーマンスになることを考慮すると、このグラフはインデックスファンドの投資家が、アクティブ・ポートフォリオを構築していたことを示唆しています。

つまり、パッシブ運用に分類される商品に投資しても、ポートフォリオ全体がパッシブ運用の資産配分になっているとは限らないのです。バンガードの米国金融仲介機関部門のヘッドを務めるトム・ランプッラは、インデックスファンドやETFの利用は、進化したアクティブ運用の一部だと言います。投資家は、例えばインデックス型ETFを利用してアクティブ・ポートフォリオを構築している、言い換えると、パッシブ運用商品を使って、アクティブ運用をしているのです。

この記事の執筆にあたり協力してくれた同僚、ニコラス・マークリングに感謝します。

 


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