バンガード会長兼CEOからのメッセージ「投資家のためのシンプルで分かりやすい指針」

25 November 2016 | 貯蓄/投資

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ビル・マクナブあなたが最近の投資環境に不安を感じるのは当然なことだと思います。

このわずか数か月の間に、私たちは経済の不透明感や激しい政治の対立、そして超低水準の債券利回りなどの状況に直面してきました。ただ、一方では株価は上昇を続けています。こうした読みにくい、場合によっては矛盾するとも言える環境の中ではこう自問したくなるかもしれません。「このような状況の一切を読み解き、大船に乗った気持ちで投資を続けるために、一体どのようなことが出来るのだろうか?」

どのような問題でもそうですが、対処法はいくつもあります。しかし、とりわけシンプルで分かりやすい、そして、ほとんど誰にでもできるアプローチが一つあります。それは投資するお金の額を増やすことです。投資するお金の額が増えれば、投資計画を自らの手でコントロールしているという意識が高まるばかりでなく、(バンガードの見通しでは)過去の平均を割り込みかねない長期リターンを補填する手段にもなります。

私は、バンガードの投資のプロが語った言葉が心に残っています。今年7月、バンガード投資戦略グループのフラン・キニリーはウォールストリート・ジャーナル紙で「投資とは常に投資家と市場との協力関係です」と語りました。彼によると、1990年代までの2、30年間、市場が応分のレベルを上回る役割を果たし投資家に大きなリターンをもたらしたため、この協力関係での投資家の負荷は相対的に軽くて済みました。「しかし、今度は投資家がこの協力関係の主たるプレーヤーになる番です」とキニリーは指摘します。

意外でしたか?そうです。確かに現実は厳しいのです。では、もう希望は持てないと考えますか?いえ、そのようなことは全くありません。 

「投資へまわすお金を増やす」ことの妥当性はほとんど誰もが容易に理解できます。しかし、実行するのは必ずしも簡単なことではありません。病気や失業―誰もがそうした出費のリスクを抱えているのです。

しかし、どのような状況にあるにせよ、どうすれば投資にまわすお金を増やすことできるか、その方法を見い出すことは大切だと思います。明日使えるお金を増やすために、今日使うお金を抑えるという厳しい決断をしなければなりません。これはまさに投資の核心となる重要なポイントです。何かを犠牲にするのは決して楽しいことではありません。ですから、投資にまわすお金を一定の手順に基づき定期的に、また、負担を感じないように増やす方法をご検討なさるのがよいと思います。 例えば、米国バンガードでは個人投資家の皆さまに対して、退職後の備えが十分であるように毎年個人退職金口座への投資額を徐々に上限額に達するまで増やすとか、また確定拠出年金における拠出額を少しずつ増やしていく、具体的には雇用主の拠出分も含めて毎年投資金額を12%~15%の投資率を目標とするようになどご提案をしています。

「投資へまわすお金を増やす」というアプローチについてより確信を得たいと考えているのであれば、他の選択肢を考えてみるのも一案かと思います。ここにあるのが全てではありませんが、主な代替案のいくつかを列挙してみました。但し、そのいずれもがリスクを伴うものです。 

  • 利回りを追求する。

多くの種類の債券利回りが極めて低調に推移する中で、よりうま味のある債券を見つけるのはとても魅力的です。しかし、果実を得るには相当のリスクが伴います。得られるものより大きな、場合によってははるかに大きなリスクを持っている可能性があります。

  • 好調なパフォーマンスをあげている資産クラスやファンドに集中投資する。

この手に乗るのは得策でないことぐらいもうご存知ですよね? 

  • じっとしている。

このアプローチはあながち捨てたものではありません。パニックを起こして「とにかく何か行動を起こそう」と決断するよりはるかにましです。特に、市場の動きに反応してアプローチを変えることに比べれば優れた方法です。

市場との協力関係には、必ず困難と魅力とが一体となって伴います。短期的には、市場という「協力者」は気まぐれで感情的、予測が極めて困難な存在です。しかし、長期的に見れば、この協力関係はおおむね合理的で極めて有益な関係なのです。市場は予想以上のリターンを与えてくれることもあれば、私たちの少し控えめな見通しに沿った結果を示すこともあるでしょう。いずれにせよ、投資にまわすお金を増やすことで、投資目標の達成によりよく近づくことができるのです。


 

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