バンガードによる投資ライフ・プランニング™ ——計画していたよりも早期の退職への備え

29 June 2018 | 引退用投資

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 「旅行の完璧な準備はできますが、お天気だけはそうはいきません。同じように、将来に備えて完璧な資金計画はできても、人生そのものでは何が起きるかわかりません。

 そこで私たちのアドバイスとしては、資産運用に見切りをつけないように、そして細かな内容については柔軟性を持って対応してください、ということです。

 以下の記事では、投資運用をうまく進めていくための秘訣や方法をご説明しています。予想されるライフイベントへの備えはもちろん、予想しないことが起きたときの対応まで、あなたの資金をコントロールし続けることは可能といえます。

 ほかのどなたのものでもない、あなた様の投資人生です。どうぞご自身で生きてください。」




計画していたよりも早期の退職への備え

備えるポイント

  • 落ち着いて自分がコントロールできることにフォーカスする
  • 医療保険を確実に維持する
  • 経済的に退職準備ができているかを確認して、もしできているとすれば、本当に退職したいのかをもう一度自分にたずねてみる

退職プランを実際に紙に書いたことがあるかはともかく、退職後の生活を心に思い描いたことはあるでしょう。そして、いつその生活が始まるかについても漠然と考えたことがあるでしょう。また日本でも、2013年には国家公務員も早期退職への応募が可能となり、また退職金を割り増しして支払うなどの優遇制度を取り入れる企業もあり、早期退職を検討した経験のある方もいらっしゃるでしょう。

しかし、計画は計画に過ぎないのですから、必ずしも実現するとは限りません。予期せず退職することになったとしても、それはあなただけに起こることではありません。予想外の事情により、考えていたよりも早く離職する人も少なくないでしょう。解雇、早期退職推奨制度、本人や家族の健康上の理由などがそういった事情に含まれています。

退職そのものはあなたの力が及ぶ範囲ではなかったかもしれませんが、ここでは自分でコントロールできることについて、ヒントをいくつか挙げてみます。

第1ステップ 冷静さを保つ

予想外の事情が起これば様々な感情が湧きおこり、論理的に考えることが難しくなるかもしれません。心配やストレス、あるいはそれ以上のものに圧倒されているかもしれません。

チャック・ライリー
チャック・ライリー

バンガード・パーソナル・アドバイザー・サービスのシニア・ファイナンシャルプランナー、チャック・ライリーが語ります。「お客様の中には、新しい仕事に就くため、家族を連れて長距離の引越しを伴い、新しい家を買ったのに、その半年後に解雇されたという人もいます。それはかなりのショックな出来事で、このお客様は裏切られたと感じ腹を立てていました。」

気持ちを落ち着けるには時間がかかりますが、それでいいのです。ただその際に、高ぶった感情にまかせ、後で後悔するような行動を起こさないようにしましょう。

数カ月間を乗り切り、最初の気持ちの高ぶりから自分を落ち着かせるだけの、手持ちの現金はありますか? もし現金の持ち合わせがなければ、そして自分でコントロールしようと「なんとかしなければ」と焦るようであれば、迅速且つ手っ取り早くできる支出の削減にフォーカスしましょう。


第2ステップ 医療保険を維持する

日本では「国民皆保険制度」が定められていますので、このステップは省略してもいいでしょう。しかし、雇用の終了に伴ってご自身の医療保険の状況は確認しておくのがよいでしょう。

第3ステップ 自分の経済状況を確認する

第2ステップの医療保険が維持できれば、次に必要となるのは、余生を過ごすための資産がいくらあるか、そしてそれは充分な額であるかどうかを確認することです。

<追加のヒント>

友人や家族、もしくはファイナンシャル・アドバイザーがいれば、中立の立場であなたの置かれた状況を明確に見極めてもらえるかもしれません。

<何をどれくらいお持ちですか?>

まず、受けられる手当をよく考えてみましょう。突然の退職となった理由によっては、障害補償給付や失業保険の対象となるかもしれません。

現時点では、必要となった際の受給額を知るだけでいいでしょう。配偶者の支払い歴をもとに受給する場合の手当はいくらになるのかも、確認しておきましょう。

個人年金や不動産収入、これまでの就労による企業年金など、その他の収入源も考慮すべきです(配偶者の収入も、見込まれる場合は忘れずに考慮しましょう)。個人年金や公的年金、企業年金の給付開始年齢と給付額を知っておきましょう。

退職貯蓄を取り崩すという選択もできるかもしれませんが、これにはまだ手をつけないほうがいいでしょう。退職後の生活は思っていたよりも長く続くかもしれず、退職貯蓄には手を付けずにできるだけ増やしたほうがいいからです。

<いくら必要になるでしょうか?>

所有額と釣り合うべき、等式の反対側はもちろん、実際にいくら使うかです。

前述のライリーによれば「退職後のための資産計算の多くは、退職後の生活のためにいくら貯蓄する必要があるかという一般的なガイドラインを用いています。たとえば退職前の生活費の80%を退職後も消費するという前提です。しかし、これは大ざっぱな目安でしかなく、それほど必要でない場合もあります」

考慮すべきポイント:

  • これからは毎日出勤することがなくなり、交通費、被服費、外食費は減るでしょうか?
  • 小さな家に住み替えることはできるでしょうか? 生活費の安い地域に引っ越すことはできますか?
  • これまではお金を出してやってもらっていたことで、自分でやれることはないでしょうか? 家の掃除、犬の散歩、庭仕事、家や車の整備などの費用はカットできるかもしれません。
  • 必要に応じて削減できるその他の裁量支出はないでしょうか?

いくら持っていて、いくら必要かを把握することで、自分の経済状況が切迫しているか、おぼつかないか、それともまったく心配いらないかが評価できるでしょう。

第4ステップ どう前進するかを決断する

手持ちの資金が支出を上回り、再就職の必要がないというのがベストの結果です。ライリーのお客様の場合はそうでした。「お客様ご夫婦は、しっかり貯蓄していて、経済的に堅実な状況にありました。退職したければ退職できるということがわかりました。」

結局、ライリーのお客様は、まだ仕事を続けたいという自分の気持ちに気づき、新しい役職につきました。こういう結果になることも考慮できるでしょう。引き続き仕事に精を出し、退職すると決める日まで貯蓄し続けることには、大きな利点があります。

また別の起こりうる場合として、考えていたような退職後の生活を送るのに充分な資金がないとわかることもあります。そのような場合には、いくつかの選択をしなければなりません。

ライリーはこう尋ねます。「健康状態は良好だとして、たとえ非常勤であっても仕事に戻ることは可能でしょうか?旧来の勤務形態にこだわる必要はありません。フリーランサーや、コンサルタントとして働く、地域のコミュニティ・カレッジで教える、Uberの運転手のような単発の仕事をたまにする、というのでも構わないと思います」

それでは、そのように働くことが不可能な場合はどうでしょう? ライリーはこう続けます。「経済的な観点から言えばもちろん、できるだけ途切れなく収入があるに越したことはありません。しかし、それが不可能であり、もしくはまだもっと収入が必要な場合は、しばらく公的年金等の給付金だけでやっていけるか、試してみるといいでしょう。退職後のために貯めた資金には手を付けず、増やすことです。」

セカンドオピニオンは必要でしょうか?

望まずに迎えた退職には、気持ちが乱れます。そして感情的になると、正しい判断ができません。そのような状況でも、ベストの決断をすることが大事なのです。第三者の視点は、物事を的確に見る助けとなります。その点で、ファイナンシャル アドバイザーにご相談することをおすすめします。




ご留意事項

  • すべての投資は、元金の損失を含め、リスクを伴います。
  • 個別状況については、税金または財政面でのアドバイザーに相談することをおすすめします。

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