忍耐力は美徳です

22 December 2016 | 行動ファイナンス

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バンガード・インベストメンツ・オーストラリアでマーケティングと広報の責任者を務めるロビン・バウワーマンのコメントをご紹介いたします。

忍耐力は、私たちの人生の多くの中で美徳とされています。実際に投資家にとって成功の基礎となる気質かと思います。

「忍耐力をもって投資する」ことは、投資をし続ける中で避けられないマーケットの急激な上昇や下落に惑わされることなく、長期的な目標を見据えて、ポートフォリオの資産配分の目標を貫くということです。

一方で、短気は間違いなく、自滅してしまう投資家の代表的な気質の一つです。短気な投資家は株価の下落とともに株式市場から退場し、その後、相場が急反発すると舞い戻って来ます。

また、短気な投資家は、パフォーマンスが低迷しているアクティブファンドを避ける傾向にあります。直近の短期的なリターンだけを見て、直近のパフォーマンスが優れているに乗り換えてしまいます。

最近発表されたバンガードのリサーチ・ペーパー「アクティブ運用の勝率を上げる鍵」では、アクティブファンドでの成功確率を高める上で「最も重要な」3つの要素が挙げられています。それは、運用管理コストが低いことファンドマネージャーの腕、そして投資家の忍耐力です。

インデックスファンドとアクティブファンドのどちらか、または両方を活用するとしても、低コストで運用されているファンド(とその運用会社)を選ぶ正しいプロセスと並んで、忍耐力は不可欠です。

「低コストで、緻密に、そして慎重に運用されているファンドを選ぶことは、投資家のリターンを改善する上で大きな効果があります。ただ、このようなメリットも投資家が長期的な視点を保ち続けることが出来なければ意味がありません。というのも、リターンとは本来一貫性がないものだからです。」とバンガードの研究者たちは論じています。

さらに「アクティブ運用ファンドへの投資や解約を決断する際に、短期的な過去のパフォーマンスに目を向けがちな投資家にとっては、この原則を理解することが大切です。バンガードの分析結果は、有能な運用マネージャー選定の重要性だけでなく、アクティブファンドで実績をあげるためには長期にわたって辛抱強く待たなければならないということを示しています。」と付け加えています。

バンガードの調査によると、2000年初めの米国では2,085本のアクティブ運用株式ファンドが購入可能でした。

  • このうち、15年経過後の2014年12月31日現在にも存続していたのは、わずか952本(全体の46%)にすぎませんでした。
  • 存続したファンドのうち、15年間の手数料を引いた後のパフォーマンスがベンチマークをアウトパフォームしたのは、552本(当初のファンド合計数の26%)にすぎませんでした。
  • ベンチマークをアウトパフォームした存続ファンドの多くは、運用期間において「しばしば、ときに長期におよんで」アンダーパフォームしています。
  • さらに、アウトパフォームしたファンドの98%以上で、目論見書のベンチマークをアンダーパフォームした年が、15年間のうち少なくとも4回(計4年)ありました。実際、5割を超えるファンドで、アンダーパフォームした年が7回(計7年)かそれ以上ありました。

バンガードの研究者たちは次のように指摘しています。「運用期間15年のうち、個々のアンダーパフォームの期間については耐えることができるかもしれません。しかし、多くの投資家にとって、3年連続のアンダーパフォームというのは、そのファンドの売却を決断する転換点となります。」

忍耐力は美徳以上のものです。長期的な投資の成功に大きく繋がる可能性があります。


 

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