バンガードの新しいCEOへの5つの質問

29 September 2017

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ティム・バックリー26年前、ティム・バックリーは、ハーバード大学を卒業後にバンガードに入社しました。最初の職場となったバンガードで、彼は、幸先の良いキャリアのスタートを切りました。当時のCEO(最高経営責任者)ジョン・C・ボーグルのアシスタントとなったのです。

バックリーは、その後、バンガードの3つの部門(情報テクノロジー部門、個人部門、運用部門)の責任者を歴任し、その間に、バンガードCEOのビル・マクナブと前CEOのジャック・ブレナンとの仕事を通し、密接な関係を築きました。彼はキャリアを通じ、バンガードのビジネスと経営ついて理解し、重要な知識を身につけることができました。バックリーのリーダーとしての経験、チームとメンバーの才能を育ててきた素晴らしい実績、グローバルな思考、顧客への献身から、バンガードの取締役会は、彼がマクナブの後任として理想的な人物であると考え、2018年からのCEO(最高経営責任者)に任命しました。

私たちはティム・バックリーにインタビューし、バンガードと彼の将来の役割について5つの質問をしました。

2018年1月1日に、あなたは、バンガードの42年の歴史において4人目となるCEOに就任します。新しい役割を引き受けるにあたり、最初に何を考えましたか。

最初に頭に浮かんだのは、責任の重さです。バンガードには、数百万人の投資家の皆さまがより良い老後を迎えるためや、子供たちを大学に通わせるため、またその他の投資目標の達成を助けるという重大な責任があります。そして次に浮かんだのは感謝です。ジャック(ブレナン)とビル(マクナブ)の指導に感謝しています。バンガードには、私たちが完全にお客さまに寄り添える所有構造があり、個人のお客さまや、フィナンシャル・アドバイザー、あるいはプラン・スポンサーなど、全てのお客さまに、投資で成功するための最高の機会を提供するという明確なミッションがあることに感謝しています。

今日、バンガードの事業は確固たる地位を築いています。バンガードは、ここからどこに向かうのでしょうか。大きな機会とは、何でしょうか。

世界中どこを見渡しても、バンガードほど、投資コストと投資の複雑さを低減させることに成功した会社はないと言えるでしょう。そして、私たちは、まだそれに取り掛かったばかりです。もっとできることはありますし、新しい方法もあります。

私たちは、お客さまのニーズ、目標、そして願望がとても多様であることを理解しています。例えばフィナンシャル・アドバイザーの皆さまが、低コストのバンガードETFやファンドを利用したポートフォリオの構築を通じて、彼らのお客さまをサポートできるよう、相当の投資をしてきました。同時に、独自のアドバイザリーサービスであるパーソナル・アドバイザー・サービスを再考し、私たちがサービスを直接提供している個人投資家の皆さまが、より容易に投資目標を達成できるようにしました。また、大小含めた確定拠出年金のスポンサーとともに、制度の改善と、加入者の皆さまが健全な投資計画を構築し、十分な貯蓄ができるように支援しています。私たちは、実質的に数百の基金や財団の最高投資責任者としての役割を果たしています。そして、低コストの投資アプローチをカナダ、英国、欧州、アジアの新しい市場にもたらしました。

私たちは、投資家の皆さまのコストに対する考え方から、投資アドバイスを受ける方法やポートフォリオの取り扱いに至るまで、世界中の人々の投資の仕方を変え続けて参ります。

あなたのリーダーシップのもと、バンガードはどのように変わる可能性がありますか。

まずは、変わらないことから始めましょう。バンガードには不変のものがあります。つまり、私たちの所有構造、投資原則、顧客第一主義の文化、社員へのコミットメントです。これらは私たちの存在と経営の根幹を成すものです。

とは言うものの、お客さまは変化を期待するだけではなく、求めるべきです。私たちは、イノベーションの上に成り立っている会社であり、イノベーションから利益を得てきた会社です。バンガードは、創業当時、自社運用資産を全く持たず、米国でブローカーが個人投資家に販売していたアクティブ運用ファンドだけを提供していました。今日、私たちは、社内で3.8兆ドルを運用し、数えられないほど多くの国で、規模も投資経験も異なるあらゆるタイプの投資家の皆さまに幅広いラインアップのインデックスファンドとアクティブファンドを提供しています。

バンガードは、世界初の個人投資家向けのインデックスファンドを設定して以降、インターネットの早期採用、ターゲットデート型ファンド、ETF、アドバイザリーサービスの活用など、常に慎重に革新を続けてきました。私たちのお客さまは今後も、商品とサービスのイノベーション、テクノロジーの採用、ビジネスとインフラへの大規模な再投資という形で、変化を目の当たりにすると思います。これら全ては、お客さまの経験と投資結果の改善が目的です。

あなたの目から見て、今後の課題は何ですか。

私が仕事を始めて間もなく学んだ教訓の一つは、投資家は金融市場に痛い思いをさせられるものだということです。私たちは、世界的な金融危機以降、長期にわたりプラスのリターンを享受してきました。しかし、これから先は、荒海を乗り越える覚悟をしなければなりません(航海を引き合いに出すことをお許しください。20年以上バンガードという艦船に乗船してきたせいです)。私たちは、ボラティリティが低く、全てのアセットクラスのパフォーマンスが素晴らしい現状に油断してはいけないのです。これは「新標準」ではありません。私が保証します。

上値余地がない今、私たちは低リターンの環境に備える必要があります。そのような環境では、コストを低く抑え、規律を守ることが大変重要です。リターンが低いと、新しい運用手法が約束するリターンは魅力的に見えるものです。しかし、そのような運用手法は、大抵は、骨折り損に終わります。市場が提供するリターンを堅持して、コストと税金を最小限に抑える方がずっと上手くいくのです。幸いにもバンガードには、私たちが直接サービスを提供するお客さまには規律ある投資を奨励し、確定拠出年金の加入者の皆さまには正しい行動を促し、アドバイザーの皆さまには、彼らのお客さまが正しい方向に進み続けるのを支援するための準備がこれまで以上に整っています。

あなたはキャリアの全てをバンガードで過ごしてきました。長年にわたりバンガードで働き続けた理由は何ですか。

多くの理由がありますが、一番には私たちのミッションにあります。それは変化をもたらすチャンスだからです。心臓外科医の息子として、私は命を救うか、人々の人生をより良いものにするのを助けるよう教えられました。私たちは、確かに後者を実践しています。

もう一つは調和です。私が夜、安心して眠ることができるのは、外部の株主を裕福にするために、自分のお客さまの夢を危険に晒していると心配する必要がないからです。

そして成長です。私は、毎日、新たな挑戦に挑み、チームの成長と発展を助けることに喜びを感じています。これはやりがいのあることです。リーダーシップの人間的側面は、常に刺激とインスピレーションを与えてくれます。それによって、私は毎日ただ会社に来るのではなく、目的を持って仕事に来ることができるのです。

最後に、私が知る最も高潔で、ダイナミックで、意欲的な人々がバンガードで働いていることも理由として挙げたいと思います。私は彼らの同僚であることを、そしてその多くが友人であることを幸運に思います。

ありがとうございました。幸運を祈っています。



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