歴史

「原価で」提供する運用会社の始まり

バンガードの歴史は、米国最古の投資信託の一つであるウェリントン・ファンドが設立された時まで遡ります。それは1929年の株式市場崩壊の数ヶ月前のことでした。ウェリントン・ファンドは株式と債券の両方に投資する投資信託として、下げ相場・上げ相場、不況時・好況時、戦時・平時など、あらゆる状況下において、不変の投資原則である「バランス」、「分散」、「シンプリシティ」、「長期的視点」を守り、耐え抜いてきました。

ボーグル氏は、このバンガードの前身が経営上の論争の渦中にあった1974年に退社しました。そして、投資家の利益のためにだけ運営される、新しいタイプのファンド運用会社を作ることを決意しました。ファンドが、その必要とするサービスを「原価で」提供する運用会社を自ら所有するという、革新的な投資信託の組織構造を具現化して見せたのです。

このバンガードの新たな提案の中核をなしたのは、投資信託業界の標準的な慣習は投資家のためになっていないという考え方でした。つまり、ファンドは、ポートフォリオ管理、マーケティング、事務管理の各業務を提供することで利益を得ようとするファンド運用会社のいいなりになってしまっている、という思いです。そのような仕組みの典型が、ファンドからの運用会社の利益をファンドの所有者(投資家)と運用会社のオーナー達との間で分配することである、と私たちは考えます。そのためバンガードの各ファンドは、必要とするサービスが「原価で」提供される自前の運用会社を設立して、自らの運命を制御できる構造にしました。

バンガード・グループのこうした企業構造は、他のファンド運用会社に例を見ない特異なものです。多くのファンド運用会社が株式公開企業もしくは少人数の個人を株主とする非公開企業の形態をとっている中で、The Vanguard Group Inc.は、自らの運用するファンドによって所有され、そして、バンガードの各ファンドは、ファンドへの出資者(投資家)によって所有されています。このような構造をとることにより、バンガードはお客様の利益だけに焦点を定めることが可能となっているのです。

バンガードの海外での事業は親会社の直轄子会社となっていますが、それら事業も顧客の利益を第一とする同じ考え方を共有しています。海外への進出は、1996年にオーストラリアのメルボルンにオフィスを開設したのを嚆矢として、98年にはベルギーのブリュッセルで欧州における事業を開始、また2000年には東京事業所を開設しました。現在ではこの他にアムステルダム、ロンドン、パリ、ソウル、シンガポール、シドニー、チューリッヒにも拠点を置いています。

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