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今、投資家の皆様は落ち着かない、困難な状況に直面されていることと思います。毎日のようにマーケットの乱高下を報じるニュースが新聞の一面を飾り、自称「経済の専門家」からは買い(売り)時を知らせるコメントや、銘柄についてのアドバイスがひっきりなしに語られ、落ち着いた投資判断ができ難くなっています。
しかし、氾濫した情報に踊らされてはいけません。投資とは "アセットアロケーション"を利用することで、より簡単で、より目標を達成しやすくすることができるものなのです。
今回は2008年8月26日に発表されたバンガード投資戦略チームのクリス・フィリップのアセットアロケーションに関する話をご紹介させて頂きます。
アセットアロケーションとは、"ダウ平均が300ポイントも上昇した"といったような、投資家をエキサイティングさせる類のものではありません。しかし投資を行う際には最も重要なものだと言えます。1986年に行われた調査によると、幅広く分散されたポートフォリオでは、アセットミックス(株式・債券・短期金融商品等の資産構成比)の決定が、特定のファンドに投資することや、マーケット・タイミングを狙うことよりも、投資結果に与える影響が大きいという結果が出ています。
適切な"アセットアロケーション"がポートフォリオを組み立て、維持運用していく上での鍵なのです。
ただ、現在、株式や債券、短期金融商品をご自身の投資目標や投資予定期間、リスク耐性に基づいてバランス良く資産配分しているのであれば、急いでポートフォリオを変更する必要はありません。
特にマーケットが不安定になると投資先をすぐに変更したくなるのが人情です。しかしアセットアロケーションの重要性を強調している多くの研究では、短期的なマーケットの動きに基づいて投資を行うと、しばしば不本意な結果に終わることが確認されています。投資のプロでさえ、マーケットの上昇、または下落のタイミングを正確に掴むことは困難です。ですから、よく練られたアセットアロケーションが、マーケットが大荒れの時の針路になると言えるのです。もし「なぜその資産クラスに投資をするのか」を理解していれば、その資産クラスがポートフォリオにおいて長期的にどのような役割を果すのかもお分かり頂けると思います。例えば、株式への投資は価格の変動リスクを取るからこそ、長期では債券や短期金融商品に比べると高いリターンが期待出来るのです。
バランスの良いアセットアロケーションを維持することは、投資目標から逸れてしまったり、短期的なマーケットの下落に過敏に反応することを防いでくれるでしょう。
一度アセットアロケーションを組んでしまえば、この先は何もしなくていい訳ではなく、定期的に見直しをする必要があります。例えば、退職が近づいてきたらより安全性の高い資産クラスの比率を上げる必要がありますし、最近の株式市場の下落によって、ポートフォリオがご自身が設定した投資配分から大きく崩れていたら、当初設定した配分に戻すため、リバランスする必要があります。
下落している株式を買い増しすることには抵抗があることと思います。しかし、もしリバランスを行わないと、当初定めた投資目標とは異なる結果に終わることも考えられるのです。
出典:Brinson, Hood, and Beebower: "Determinants of Portfolio Performance(ポートフォリオのパフォーマンスに影響を与える決定要因)," Financial Analysts Journal (1986, 1991).
投資にはリスクがありますので、投資を行う前に慎重に検討してから投資を開始して下さい。債券への投資には金利リスク、信用リスク、インフレリスクが伴います。分散投資はマーケット下落時に利益を保証するものではありません。